●世界一の規制、世界一の検挙率、世界一最低のサービス
ユーザー置き去りの著作権攻防戦 iTunes Music Storeは始まらず、規制は世界一、パソコンやiPodにも新規課金の動き
著作権は、いま最も熱いキーワードの1つだ。 今年6月、日本盤のある海外製CDの輸入をレコード会社などの申し立てで停止できるよう法改正されたが、「輸入盤が入手できなくなる」と音楽ファンが激しく反対したのは記憶に新しい。 次の目標として音楽業界は、現在MDなどに課せられている私的録音補償金を、パソコンやデータ用CD-Rなどに拡大するよう働きかけを強めている。 私的複製の一層の制限も話題にあがり始めた。 その背景には、ファイル交換ソフトなどを通じた違法コピーとの激しい攻防戦がある。 だが、違法行為をしていない大多数のユーザーには、息が詰まるような窮屈な時代になってしまった。
(以上、全文は朝日新聞へ)
今、著作権が熱い……というよりも、著作権を盾にとり、ユーザーからどうやって旧来までと同じだけの利益を搾取するか陰謀を企てる音楽業界が熱い、とでも言うべきだろうか。
去年度、日本の音楽著作権の代表的組織、JASRACが史上最高利益をはじき出したのは記憶に新しい。
音楽CDやDVDなどだけでなく、着信メロディの普及で一挙に利益増となったそうだが、JASRACの著作権を錦の御旗にした横暴ぶりはすさまじい。
そもそも、著作権を持つ音楽使用料の取得代行業務を生業とするJASRACなんだけども、アーティストの音楽を利用したお店や商品から支払われた著作権使用料が、本当にアーティストの手元に届いているのかどうかという点では、非常に不透明な状態だという。
音楽著作権に関して、アーティストの中で最も活発に動いている坂本龍一氏などは、以前よりJASRAC批判を展開し、自身は音楽著作権管理をJASRACから他社に移行している。
他にも、草の根で音楽活動を展開するアマチュア・アーティストはJASRACに対して、恐怖している現実もある。
例えば、もはや日本国内では壊滅的な状況にまでなったMIDIというものがある。
MIDIというのは、パソコンで音楽を作成するための基本的な環境なのだが、パソコンで楽譜を作成すると、その入力した通りの音を奏でるという仕組みだ。
芸術とは模倣から始まる、との言葉通り、アマチュア・アーティストは自らの音楽技術を磨き上げるために、MIDIで既存アーティストの音楽を打ち込むという行為は、ずっとずっと過去より当たり前のように行われてきた。
しかし、近年、一挙にパソコンが普及したおかげで、MIDIユーザーも爆発的普及をみせたわけだが、そのような活気ある状況をJASRACが見逃すわけがなかった。
著作権の存在する音楽を違法に公開したなどとして、インターネット上でMIDIファイルを公開しているミュージシャンに対して著作権使用料の支払いや、制裁的罰則金の要求などを行ってきた。
MIDIで作成した音楽をお金を取って公開していたわけではない。
むしろ、MIDIで作成した音楽にはボーカルも存在していないし、純粋な技術探求で交流を続けてきた人が多かったのではないかと思う。
にもかかわらず、JASRACはそういう趣味の人々を許すつもりもなく、日本のMIDIは壊滅した。
これはMIDIだけに関係する問題ではなく、JASRACは、例えば路上で演奏しているミュージシャンを訴えたりもしているし、ボランティアで演奏したとしても著作権料の支払いは必要だとしている。
ジャズ好きな人々の交流の場であった、新潟のジャズ喫茶に対して、500万円の著作権使用料の支払いを求めた裁判などが起こっている。
JASRACという組織は、自らのレゾンデートルに従い、徹底しているわけだ。
そこに、日本の音楽シーンなどというものは関係が無いのだ。
各レコード会社は、ここ数年、年々業績を悪化しつづけており、JASRACとは好対照にあるというのも面白い。
ようするに、音楽を作るよりも、著作権を守らせる方が儲かる世の中になってしまった、そういうことのようだ。
レコード会社は自分たちの利益が下がっている原因について、ユーザーの不法行為を訴える。
ユーザーが悪いとばかり訴える。
だが、果たしてそれだけなのだろうか?
アルバム一枚3000円、シングル一枚1000円。
どうして、この値段なのだろうか?
どうして、どれだけ時間が経過しても、値段が下がらないのだろうか?
どうして、アーティストに届くお金は、たったの300円(料金の一割だけ)なのだろうか?
売れないからまず何をするかと考えたとき、値段を下げる努力をするというのは、当然の流れだと思う。
ただでさえ、日本の音楽には中間マージンが多いと言われている。
CCCDというマトモに再生することすら出来ない構造を、強引に売り出し、再生できなくてもユーザー責任だというのは、マトモなやり方とは言い難い。
今回のニュースソースでは、これから更に著作権がガチガチに固められ、これまでは見逃されてきた部分にまで、著作権料の支払いが必要になる可能性が示唆されている。
音楽用とうたわれたCD-Rがなぜ音楽用なのかといえば、料金の中に著作権料が含まれているからである。
この著作権料とはJASRACなどの著作権管理団体に支払われるわけだが、誰のために利用されているか分かりもしないわけだから、当然、アーティストに届くわけがない。
これがデータ用CD-Rやハードディスク、MP3プレイヤーなどにまで広げられていくという。
となると、それでも利益が下がっていった場合、どんどん音楽にかけられる著作権料や料金が値上がりを続けるということは想像に難くないと思う。
まぁ、我々ユーザーが出来る唯一にして最大の反抗としては、やはり不買だけなのかもしれない。
しかし、不買が成功し、結果として音楽業界の利益が激減したとしても、それで考え方を変える業界ではないと思う。
最終的には、音楽を伝えるために必要な、空気という存在にまで著作権利用料を割り当てるのではないかと思わせてしまうところが、恐ろしい。
ただ、データ用CD-Rなどに、音楽をいれていないことを証明出来れば、著作権利用料は返還されるという。
面白い――い、いや、せっかくのシステムなので、100枚くらいのCD-Rに、自作小説を焼いて、著作権利用料の返還を求めてみようと思う。
