●Netscapeよ、永遠なれ。

Netscapeと言えば、Mosaicに続きインターネットを開拓したWebブラウザとして世界的に有名ですし、現在でも熱烈なファンが存在するWebブラウザです。
Webブラウザという言葉は多少聞き慣れないものかと思いますが、ようするにインターネットのホームページを閲覧するためのソフトを指した言葉です。
現在、圧倒的1位の「Microsoft Internet Explorer」も当然Webブラウザに分類されるわけです。
Webブラウザの歴史がスタートしたのは、1991年頃に登場した「NCSA Mosaic」というブラウザからになります。
登場時こそ画期的な新種として、圧倒的人気を誇ったMosaicでしたが、大きな弱点も抱えていたのです。
それは、大量の画像などが掲載されたホームページを表示しようとすると、HTMLやイメージなど全ての要素を読み込んでから表示するため、低速なダイアルアップ接続が主流だったころは何分間も表示に待たされることがしばしばあったということです。
この致命的な弱点を克服するアイディアを持っていたMosaic開発者の一人「マーク・アンドリーセン」が会社を興して独立し、「Netscape Navigator(以下、NN)」の最初のバージョンを発表しました。
連続ドキュメントストリーミング技術という、受信したデータから次々画面に表示していくというMosaicブラウザの弱点を補った機能を採用した画期的なブラウザでした。
その後も、Netscapeの機能拡張はとどまるところを知らず、Netscape Navigator3の頃までは圧倒的なシェアを獲得し、まさに黄金時代だったわけです。
ですが――このころ、マイクロソフト社も新世代OS「Windows」に搭載するためのWebブラウザの開発を急ピッチで進め、Spyglass社のブラウザ技術をベースに「Internet Explorer(以下、IE)」は産声を上げました。
Windows95~Windows98のころは、まだNNとIEのシェア比率は五分五分といったところで、若干NNの方が上なんじゃないかなといった具合だったような気がします。
しかし、NNが市販されている商品に対して、IEは無料でOSに付属させるというMicrosoftならではの攻勢に出て以降、徐々にNNのシェアは落ち込んでいくようになりました。
IE、NN双方ともに、シェア拡大のために独自の機能拡張を施し、インターネット標準から大きく外れた機能を独自に搭載したため、ユーザーを混乱させた時期がありました。
特に、レイアウトに関するタグがそれぞれ違っていたりとWebデザイナーなどには両方のブラウザに対応させなければいけないといった大きな課題が課せられる時期でもあったのです。
現在のWebレイアウトの主流といえばCSS(カスケーディング・スタイル・シート)なわけですが、これもやはりIEとNNでは使えるものと使えないものがあり、今日でも両方のブラウザのミゾを埋めるにはいたっておりません。
熱い火花を散らし、お互いに切磋琢磨し、結果としてユーザーを混乱させていた罪もありますが、個人的にはこのような熱いデッドヒートはキライではありません。
結果的に現在のブラウザがあるわけですし、写真などの静止画だけでなく、アニメーションなど新たな表現手法もブラウザは手に入れたわけですから。
タブブラウザやマウスジェスチャーなど、新しい考え方もIEとNNの熾烈な競争の末に生まれてきた産物だと思っても悪くは無いんじゃないかなと思っています。
インターネットの覇権を長い間争い続けてきた両者ですが、最近ではNetscapeの敗色が決定的になりました。
全バージョンを総合したランキングではIEのシェアが94%を越え、Netscapeのシェアは1%未満にまでダウン。
もはや、ホームページを作っている人間にも無視されてしまうことが珍しくない状況です。
当サイトに設置しているアクセス解析でも、Netscapeの利用率は1%未満と極小の使用率になっております。
現在でも熱狂的なファンが存在するNetscapeですが、新興ブラウザ「Opera」や「Safari」などが登場し、日に日に影は薄くなりつつあります。
しかし、Netscapeという名前こそWebブラウザ市場から消えつつありますが、その血脈までも消えてしまったわけではありません。
そう、「Mozilla」の存在です。
「Mozilla」は、 Netscape Communications社が自社のWebブラウザ「Netscape Communicator 4.0」のソースコードを公開したことに端を発し、オープンソースソフトウェアとして産声を上げた、Netscapeの後継者です。
「Mozilla.org」というプロジェクトは現在でも熱いボランティアたちの手によって運営され、日々更新される新たな情報や日夜たゆまぬ努力によって、現在、Webブラウザ市場でのシェアは第二位につけています。
「Microsoft Internet Explorer」の更新がバージョン6で停止している現在、続々と登場する対抗馬たちの中でも、最有力と見られている「Mozilla」がいつの日か、Netscapeの炎を再び燃え広がらせる日がやって来てくれればと――個人的願望も含めて、祈っている今日この頃です。
何はともあれ、インターネットの一時代を築き、世界中の人間にWebサーフィンという新たな娯楽を与えてくれたことを感謝して――。
Netscapeよ、永遠なれ。
参考サイト
ブラウザシェア ベスト7
